2023年3月5日(日)開催

場所

開催日時

  • 2023年3月5日(日)
  • 開場9:30、開始10:00~16:30

定員

  • 50名

参加費用(昼食込み)

  • 歯科医師: 10,000円/税込
  • 学生:3,000円/税込
  • その他:3,000円/税込
  • 参加費用は事前にお振り込みください。
  • お振り込み先
    三菱UFJ銀行
    春日町支店 店番062
    普通 1110054
    一般社団法人 日本オーラル・フィジシャン・フォーラム

    ・振り込み手数料はご負担いただくようお願いします
    ・応募は入金をもって確定とさせていただきます
    ・ご入金後にキャンセルになった場合は、いかなる理由でも返金は致しかねますのであらかじめご了承ください。
    ・領収書は発行いたしません。金融機関の振り込み明細書をもって領収書の発行に代えさせていただきます。

参加資格(年齢制限はございません)

  • 歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士
  • 歯科関連学生

お申し込みフォーム

※定員に達したため、お申込みの受付は終了しました。


式次第

「歯科医療の本質とは何か?」(50分)
「メディカルトリートメントモデルとは何か?」(60分)
「女性歯科医師だからこそ、オーラルフィジシャンをめざそう」(50分)
「オーラルフィジシャン医院での勤務が開業後どのように活かされたか」(50分)
「誰のための予防歯科なのか? ~KEEP28を目指す我々の挑戦~」(60分)

講師からのメッセージ

「歯科医療の本質とは何か?」

 歯科医療に携わるすべての人にとって、歯科医療の本質とは何なのでしょうか。

 初診で来院される患者の口腔内の状況を診ていますと、今まできちんと歯科医院を受診していたのも関わらず、高齢になると多くの歯の喪失が見受けられます。できるなら生涯にわたって自分の歯で過ごしたいと願い、一生懸命、歯科医院に通ったにもかかわらず、多くの歯を失っている現実があります。全ての歯科医師は、間違いなく、「患者のための歯科医療」を行っているのですが、患者の望む方向とは、まだまだ異なっているように感じます。多くの歯科医師の目指す歯科医療と、本来あるべき歯科医療が違っていることが要因かもしれません。

 それでは、本来あるべき歯科医療、真の患者利益を提供する歯科医療とは、どのようなものなのでしょうか。我々は、歯科医療の目的を、「生涯にわたる口腔の健康」と捉え、今食べればいいのではなく、一生自分の歯で食べさせる、できれば80歳で28歯を残す、8028(KEEP28)を目指す歯科医療を実践しています。その根幹をなすのが、メディカルトリートメントモデルです。現在では、大部分の子供たちはカリエスフリーで20歳となり、高齢になってもほとんどの歯を失わず、多くの歯を残すことができています。

 私は、「歯科医療の本質とは何か?」のタイトルで、我々の提供する歯科医療のイントロダクションをお話いたします。オーラルフィジシャンの医療哲学をお伝えできればと思います。多くの皆様と、大阪でお会いできるのを楽しみにしております。




「メディカルトリートメントモデルとは何か?」

 歯科医師の多くは治療に関する知識と技術を学び続け、治療を求めて来院する患者のために日々の臨床に精いっぱい取り組んでいます。

 患者の側も大切な自分の歯に問題が起これば、時間とお金を費やし治療を求めて歯科医院へ通います。

 しかし、歯科医師・患者の双方が頑張った結果として、口腔内には修復物や補綴物が増え、健康な歯が失われているのが現実ではないでしょうか。

 みなさんは歯科医師となって歯科医療を行うなかで、いまは違っていたとしても将来こういう医療をおこないたいという目標やビジョンがありますか。もし、このままでいいのか疑問を持ちながら日々の臨床を続けているとすれば、歯科医師としてのこれからの生き方を選び、決断することが必要かもしれません。

 KEEP28(生涯28本の歯を健康に維持する)という目標を実現する手段として、私たちが実践しているメディカルトリートメントモデルという医療モデルについてお話し致します。

 患者さんの歯、口腔の健康を生涯にわたって守っていく方法を一緒に考えてみませんか。




「女性歯科医師だからこそ、オーラルフィジシャンをめざそう」

 歯学部の学生だった頃、「私どんな歯科医師になろうかな?」と、ワクワクして未来を思い描いていました。若い歯科医師や歯科衛生士の皆さんはいかがですか?歯科医院の増加やそれに伴う歯科開業の厳しさにワクワクどころかヒヤヒヤされているでしょうか?

 さて、夢見がちな歯学生だった私ですが、歯科医師になりしばらくした頃「予防歯科」に出会いました。「歯を守る」「カリエスフリーで育てる」そんなことができるの?!そんな医療に携われたらどんなにか素晴らしいでしょう!稲妻に打たれたような衝撃的な出会いから、私はオーラルフィジシャンを目指すことになります。

 「歯をどううまく修復するか」という思考から、「生涯歯を守るためには?」という発想へ考え方をシフトすると、歯科医療は驚くほどクリエイティブな仕事に感じられます。例えば小児の患者が来院した時、「この子の虫歯を効率よく治療するには?」と歯科医師が考える代わりに、「この子をカリエスフリーにするためにどうアプローチしようか?」と母親や本人に考えてもらう。「自分の歯は自分で守る」という価値観の創造なのです。

 このように長い期間をかけて患者の良い伴走者となり、フォロワーとなって共に健康を守る医療は、女性歯科医師が自らのライフステージと照らし合わせて成長しながらライフワークとして取り組むのに最適なのではないでしょうか。

 オーラルフィジシャンとしての哲学の下、私を含め3名の女性歯科医師で運営しているクリニックの取り組みと悪戦苦闘をお伝えできればと楽しみにしております。




「オーラルフィジシャン医院での勤務が開業後どのように活かされたか」

 シロアリの被害で家の木材が腐朽した際、補強修理、シロアリ駆除のどちらを優先しますか? 歯の喪失原因の約7割はう蝕と歯周病で、いずれも細菌が関与する多因子疾患です。初診患者の口腔内からは、歯科に通院した履歴がうかがえます。ほとんどは、どの面がどの程度のう蝕になり処置したのかすら把握していません。ましてやリスク因子や再発の予防方法など、歯を守るための教育は受けていません。「歯の修理工場」は患者の健康に対しどれほどの価値をもたらすでしょうか。

 治療依存型医院で研鑽を積みながら、将来歯を守る医療を実践したいと考える歯科医師はいますが、多くは開業後に苦労されています。歯を守るためのプログラムを整備し、チームで目標を統一し、学を深め、連携しながら患者とともに進めていく医療です。経験にないものをイメージで実践することは容易ではありません。

 私は過去に熊谷崇先生のお話をお聞きし、予防的概念(原因へのアプローチ)が不足していることが歯科疾患の社会的要因であると捉えました。そして永続的に口腔の健康に貢献する決意をしました。大学入学後に、徳島県の川原先生に卒後の面倒をみていただけるようお願いしました。実際の勤務を通して、現在と将来の目標を繋ぐ一本線ができました。医療の受け手である多くの患者と接し、確信という精神的な支柱ができました。開業後、その経験から得たものは当院の勤務医へと引き継がれ、志をともにする歯科医院が誕生しようとしています。このような経験をもとに、歯を守る医療を軸にキャリアを形成する上でのひとつの手段をお示ししたいと考えています。




「誰のための予防歯科なのか? ~KEEP28を目指す我々の挑戦~」

 最近、私はよく歯科医療とは何なのかを考えます。

 私が歯科医師になってから、 歯科医師とはどれだけ早く・丁寧に歯を削れるか、
難しい親知らずの抜歯ができるのか?
口腔全体を考えた治療ができるのか?
どれだけ適合よく噛める入れ歯を作れるのか?
・・・等々、技術的な側面を求め、その技術によって良い歯医者かそうでない歯医者であるかをすり込まれてきた気がします。

 また、メインテナンスとはどういったものなのかも教えてもらう機会がなかったように思います。恥ずかしながら、定期的にクリーニング・歯石除去することがメインテナンスと勘違いしていた時期もありました。

 う蝕があれば削り、インレーにして、それが駄目になったらクラウンにして、それも駄目になったら抜髄して、歯が割れたら抜歯する、・・・こんな負のサイクルに何の疑問の目も向けず過ごしていたと思います。こんな負のサイクルを続けることが歯科医療ではないですよね?

 多くの歯科医師が自分の技術に喜びを感じていることを否定はしません。治療技術の正確さ・エビデンスベースな歯科治療も重要です。

 しかしながら、一度切削介入した歯は少なからず負のサイクルに入っていくことを認識していただきたいと考えております。どうしたら患者さんの歯を1本でも無傷で、切削介入せずに一生涯過ごせるのか?そこに喜びを感じられる歯科医療従事者になっていただきたいと切に願います。

 アクセルソンDrらの論文で、う蝕や歯周病は予防できることは実証されたのではないでしょうか?う蝕や歯周病が予防できて、子供のころから無傷の歯で過ごせたら歯の破折もほとんどないですよね?

 <KEEP28・・・一生涯自分の歯を寿命がつきるまで残す>

 これはもう夢物語ではありません。
私のパートではKEEP28を目指す道筋を皆さんと供覧したいと思います!




「若い歯科医師の方に、特にお勧めです」

 患者さんの真の利益とは何でしょうか。

 コロナ後の新しい時代、これから迎える人生100年時代の歯科医療とはどのようなものでしょうか。

 口腔の健康の価値とは。

 オーラルフィジシャンは山形県酒田市でご開業の熊谷崇先生が提唱され、40年に亘り実践されておられるメディカルトリートメントモデルという方法で生涯にわたる口腔の健康の獲得を目指します。

 これからの日本の歯科医療を担う方々にぜひとも聞いていただきたい内容となっております。情熱をもって診療に当たっている先生方のお話に触れ、これからのご自身の医療に対する目指すべき方向の参考にして頂きたいと思います。

 当日は司会、進行係としてセミナーの下支えをさせて戴きます。会場でお会いできますことを楽しみにしております。

 

 


第1回 西日本-Pre OP Seminar- 大阪開催の様子

第2回 西日本-Pre OP Seminar- 福岡開催の様子